思い出の雫     written by 蓉茜悠

青い空の下 校庭の中央
巨大な灰色の壁を見つめる


過ぎていった風
悲しいぐらい青い空
いつまで続くんだ と呟いた生活の全てが
僕の頭から目へと動き始める

後がないと叫んでいた体育祭
漫画みたいに迷子になった修学旅行
初めて告白した中庭の桜の木

僕らは足跡を残しているのだろうか
毎日来ていたこの場所に
今までの風を思い出すことは出来なくても
この空だけは忘れない


別れていく仲間
薄れ行くぬくもり
一生友達だ と叫んだことが
昨日のことのように甦り始めえる

素直になれなくて泣いていた教室
一緒に給食を食べた仲間
反抗の対象となっていた先生

僕らは覚えていられるだろうか
絶対に忘れないと思っていたことなのに
今までの夢は薄れていっても
新しい夢が見つけられるはずだ


頬を流れるしずくが
太陽で宝石の如く輝く
それぞれ道は変わってしまったけど
いつか再び出会えることを
いつか再び語り合えることを
この胸に信じて

BGM:Royalcafe