風の声。 written by 蓉茜悠
あの日見ていた朝日の陰を
今でも僕は思い出す
「忘れない」と誓ったあのとき
太陽が完全に顔を出し
月の光を消し去った
紫色の空を青く染めた
地上のものに命を与え
時は再び動き出した
あの日から僕は変わったのかな
あの日見ていた夕日の眼差しが
たまにふと心を染める
「君だけのために」と呟いた
愛の果てなんて考えていなかった
橙色の西の空
紫色の東の空
輝いていた列島は闇に隠れて
理想という言葉を知った
あの時僕は永遠だと思っていた
ずっとこの景色を忘れないと言ったはずなのに
この言葉は無くさないと誓ったはずなのに
どこで何を間違えたかわからないまま
僕は闇に生きてきた
僕たちが違う道を歩み始めて
最後に届いた手紙は
僕は泣きながら読んだ
本当に嬉しかった
突然の便りにびっくりしながら
月の光で読んだあの夜
そして僕らは同じ道を歩み始め
同じ景色を見に行った
同じ場所のはずなのに
全然あの頃とは違っていたあの場所
もう2度と離さないから
絶対に繰り返さないから
君だけのために泣いてあげるから

BGM:Royalcafe